理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)として10年以上の現場経験を積んだ方の中には、
「そろそろリーダーとして組織づくりに関わりたい」
「もっと俯瞰的に現場全体を支えるポジションに挑戦したい」
と感じる人も多いのではないでしょうか。
現場経験豊富なリハビリ職の“次のステップ”として、管理職・リーダー職への転職は非常に現実的で、かつニーズの高いキャリア選択です。この記事では、マネジメント志向のPT・OT・STに向けた、キャリア戦略と転職成功のポイントを解説します。
なぜ今、管理職リハ職が求められているのか?
高齢者人口の増加や医療・介護サービスの多様化に伴い、リハビリ部門のマネジメントニーズが急増しています。
- 若手の教育・定着支援
- 加算対応やチーム連携の最適化
- 計画書・報告書など書類業務の効率化
- サービス品質の均一化・向上
現場を熟知した中堅〜ベテランのリハ職は、即戦力のリーダー・管理職として歓迎されやすい傾向にあります。
管理職転職に求められる3つの要素
1. 組織視点での課題意識と改善力
「もっとこうすれば良くなるのに」と感じた経験があるなら、それは管理職に向いている証です。
自ら仕組みを変える意識や提案力がある人材は、施設側にとって貴重な存在です。
2. 部下やチームへの配慮・育成経験
後輩指導やプリセプター、OJTの経験がある方は積極的にアピールを。
特に「どう関わって成果につなげたか」を具体例で話せると面接でも好印象です。
3. 多職種連携・対外対応の経験
医師、看護師、ケアマネ、行政などとの調整・連携経験も大きな武器になります。
カンファレンスの進行や他職種へのリハ提案など、業務外の貢献も忘れずに整理しておきましょう。
管理職転職の選択肢|どの道がベスト?
▷ 大規模法人・病院で管理職として入職
- 組織の整備が進んでおり、分業化・教育制度が充実
- 複数部署のマネジメントや人事・経営にも携われる可能性あり
- 一方で、「裁量が限定的」「変革しにくい」と感じることも
▷ 中小規模施設や在宅系でプレイングマネージャーに
- 現場と管理業務の両方に関われる実践的なポジション
- 現場理解が深く、スタッフとの信頼を築きやすい
- ただし人手が少なく業務負担は大きくなりがち
▷ 立ち上げ・新規事業でゼロから体制をつくる
- 裁量が大きく、チャレンジングな役割
- 自分の理想の組織を作るチャンス
- プレッシャーや不確実性も大きいため経験者向け
志望動機・面接で伝えるべきポイント
管理職としての転職では、「どんな組織を目指したいか」「なぜこの職場なのか」というビジョンが問われます。
面接でよく聞かれること:
- これまでのマネジメント経験(人数・期間・内容)
- チームや現場をどう改善したいか
- どんな職場環境をつくりたいか
回答例:
「これまで5名の若手スタッフの指導や業務フロー改善を担当してきました。スタッフが意欲的に働ける組織づくりにやりがいを感じており、貴院でもリハビリ部門の強化に貢献できればと考えております。」
キャリア戦略として意識したいこと
- 「管理職経験がない」場合も、育成・改善・連携経験を“職務実績”として提示することが大事
- マネジメントだけでなく、リハ職としての専門性も維持・強化していく意識が◎
- 年収・役職・裁量・負担のバランスを見極める(マネージャー職は条件がピンキリ)
まとめ
管理職・リーダー職への転職は、PT・OT・STとして培った経験を次のステージで活かす絶好のチャンスです。
現場でしか得られない知識や感覚は、管理者となってからこそ真価を発揮します。
「組織に変化を起こしたい」「後輩の成長を支えたい」と感じているあなたには、きっと管理職としての素質があります。
一歩踏み出して、“現場を導く立場”としてのキャリアを築いてみませんか?