~PT・OT・STが知っておきたい“お金の中身”~
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)として働き始めて月々もらう「給与明細」。
毎月なんとなく金額だけ見ていませんか?
実は、給与明細には“自分の働き方”と“生活に直結する情報”が詰まっているのです。
この記事では、見落としがちな手当や、意外に大きい控除の正体まで、給与明細の読み方をわかりやすく解説します。
◆ 給与明細の基本構成
給与明細は大きく次の3つで構成されています:
- 支給項目(もらえるお金)
- 控除項目(引かれるお金)
- 差引支給額(実際の手取り)
◆ 支給項目のチェックポイント
項目 | 内容 | チェックすべき点 |
---|---|---|
基本給 | 賃金のベース。経験や職能で決まる | 年数とともに上がっているか? |
資格手当 | 国家資格・認定資格などに対して支給 | 複数資格を持っていても反映されているか? |
職務手当 | 役職(主任・係長など)や特定業務への手当 | 担当業務に応じた額になっているか? |
通勤手当 | 交通費支給。実費 or 定額 | 上限や非課税範囲を確認 |
皆勤手当/精勤手当 | 欠勤なしで支給されることが多い | 遅刻・早退でも減額されるケースあり |
特殊業務手当 | 介護保険、訪問リハ、夜勤などの業務で支給 | 業務内容と一致しているか? |
✅ ポイント:
「残業代込みの“固定手当”になっていないか」「基本給が異常に低くないか」を要チェック。
◆ 控除項目のチェックポイント
項目 | 内容 | チェックすべき点 |
---|---|---|
健康保険 | 医療費の補助/出産・傷病手当などに使われる | 保険料率は年1回更新される(地域ごとに差あり) |
厚生年金 | 老後の年金支給額に反映される | 給与に対して約18.3%(事業主と折半) |
雇用保険 | 失業手当、育休給付金の財源 | 基本的に全員が加入対象 |
住民税 | 前年の所得に応じて決定 | 6月から翌年5月までの分が毎月天引き |
所得税 | 年収に応じて源泉徴収 | 年末調整・確定申告で過不足が精算される |
✅ ポイント:
社会保険料の変動や、**年収の壁(扶養/保育料/保険料)**への影響も要注意。
◆ 「控除が多すぎる」と感じたら?
それ、本当に“控除が多い”のではなく、「手当が見せかけで基本給が低い」可能性も。
例:
- 基本給16万+各種手当8万 → 総支給24万 → 将来の賞与・昇給に響く
- 社保は基本給+手当を含むため、手取りが思ったより少なくなる
👉 「基本給いくらか?」は職場選びの重要指標です。
◆ 手取りを増やしたいなら…
- ✅ 残業代のつき方を確認(みなし残業に注意)
- ✅ **手当の条件(回数・時間・対象業務)**を確認
- ✅ 訪問手当や歩合制がある事業所も検討(件数連動で収入UP)
◆ 給与明細から見える“働き方のクセ”
- 手当で調整されている →「給与=役割」ではない可能性
- 控除が多すぎる → 年収の壁や扶養内に注意
- 残業手当がゼロ → サービス残業が常態化していないか?
◆ まとめ|給与明細は“キャリアの通信簿”
給与明細はただの紙ではなく、あなたの働き方・役割・待遇が反映されたリアルな記録です。
✔ 各項目を“なんとなく”で済ませない
✔ 手取りだけでなく「どう支給・どう控除されているか」を知る
✔ 就職・転職時の“給与交渉”にも活かせる武器になる
「もらって終わり」から、「活かして選ぶ」給与明細へ。
今月から、ぜひじっくり読んでみてください。