〜仕組みと注意点をわかりやすく解説〜
「処遇改善ってよく聞くけど、結局何の手当なの?」
「毎月もらってるけど、実は詳しく知らない…」
そんな保育士さんも多いのではないでしょうか?
保育士処遇改善手当は、国が保育士の給与を引き上げるために導入した重要な制度です。
でも、園によって支給額や内容が違うため、仕組みを理解しておかないと損をする可能性も。
この記事では、処遇改善手当の種類・対象者・注意点をわかりやすく解説します。
保育士処遇改善手当とは?
「保育士の給与が安すぎる」という社会問題に対して、国(厚生労働省)が財源を出して園に支給する助成金制度です。
園はこの助成金(=加算)を使って、保育士の給与や賞与を引き上げます。
処遇改善手当の仕組みは3段階ある
現在、処遇改善は大きく3種類の加算に分かれています。
✅ 処遇改善等加算Ⅰ(全保育士が対象)
- 経験年数・役職に関係なく支給される手当
- 月額約5,000円〜40,000円前後が目安
- 給与や賞与に上乗せされているケースが多い
✅ 処遇改善等加算Ⅱ(キャリアアップ対象者向け)
- 主任保育士やリーダーなど、一定の役職者に限定された加算
- 年額約40万円〜80万円程度が支給される
- 対象になるには「キャリアアップ研修受講」+「職責」が必要
✅ 処遇改善等加算Ⅲ(賃上げ目的の追加補助)
- 2022年度から新設。全職員の給与引き上げを目的とした支援金
- 保育士1人あたり、月額9,000円の賃上げ相当(全額園に支給)
- パート職員も対象になる可能性あり
処遇改善手当がもらえる条件
- 園が処遇改善加算を申請・受給していること
- 職員として勤務していること(常勤が主だが、非常勤も対象になる場合あり)
- キャリアアップ加算(Ⅱ)では役職や研修の受講が条件となる
処遇改善手当の注意点
⚠ 園によって支給額・使い方が異なる
処遇改善加算は園に支給されるものであり、必ず全額が保育士に渡るとは限りません。
賞与に回されたり、研修費や運営費に使われていることもあります。
👉 面接では以下のように聞いてみましょう:
- 「処遇改善加算はどのように職員に還元されていますか?」
- 「支給実績はどれくらいですか?」
- 「キャリアアップ加算対象者の条件や人数は?」
⚠ 給与明細で“処遇改善手当”として明記されないことも
園によっては、基本給に含まれていたり、賞与にまとめて支給される場合もあり、本人が受け取っているか分かりにくいこともあります。
👉 月給・年収の実績額ベースで比較することが大切。
⚠ 雇用形態によっては対象外のことも
非常勤・派遣・パート職員は、加算ⅠやⅢは支給対象でも、加算Ⅱ(キャリアアップ)は対象外のことが多いです。
まとめ|「処遇改善」は理解と質問がカギ
処遇改善加算は、保育士の給与を底上げする大きな制度ですが、園の方針次第で“恩恵の大きさ”が変わります。
だからこそ、自分の待遇を守るには「制度の理解」と「園選び・確認」がとても重要です。
✅ ポイントまとめ
- 加算は3種類(Ⅰ:全員対象、Ⅱ:リーダー以上、Ⅲ:賃上げ目的)
- 支給額や使い道は園によって異なる
- 面接では具体的に「実績・対象・支給方法」を聞こう
- パートや派遣でも加算があるケースあり
“なんとなく”ではなく、“納得感”のある転職・就職を実現するために、処遇改善の仕組みを武器にしましょう!