「経験年数」でどう評価される?給与や職場選びへの影響

~PT・OT・STがキャリアを活かすために知っておくべきこと~

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)として働いていると、転職や昇給の場面でよく出てくるのが「経験年数」という評価軸。

しかし、ただ年数を積んだだけで正当に評価されるとは限りません。
実際の現場では、「何年働いていたか」よりも「何をしてきたか」が重視されるケースが増えています。

本記事では、経験年数がどのように給与・転職・職場選びに影響するかをわかりやすく解説します。


◆ 給与への影響:経験年数“だけ”では上がりにくい?

◎ 医療・福祉業界では「経験年数ベースの昇給制度」は依然として主流

  • 特に病院・公的施設では、〇年目=〇等級のような評価がされやすい
  • 地方の中小法人やデイ・訪問などでは、職能給や実績評価が重視されるケースも増加中

▶ 目安:年収の上がり幅(モデルケース)

年数平均月給想定年収(賞与込)
新卒(1〜2年)約22〜24万円320〜360万円
中堅(5〜7年)約26〜28万円380〜420万円
ベテラン(10年〜)約30万円以上450〜550万円以上も可

👉 役職がつく or 訪問・自費領域に行くと一気に伸びやすい。


◆ 転職時の評価:何年より“何ができるか”

✔ 求人側が見ているのはココ:

  • どの分野(疾患・年齢層)をどのくらい経験しているか
  • 実績:症例数・訪問件数・リーダー経験など
  • 後輩指導、加算取得、家族支援、地域連携など+αのスキル

▶ 例:同じ「7年目」でも…

AさんBさん
回復期のみ経験/症例数少なめ/単独実施が多い回復期+訪問/多職種連携・リーダー経験あり

👉 求人側の評価はBさんのほうが高くなりやすい。


◆ 経験年数で職場を選ぶときのポイント

▶ 初期(1〜3年目)

  • 幅広い疾患・対象者を経験できる総合施設がおすすめ
  • 教育体制が整っている病院 or 法人がベスト

▶ 中堅(4〜7年目)

  • 自分の得意分野を絞って、専門性を深められる職場
  • リーダー職、認定資格取得支援がある法人も視野に

▶ ベテラン(10年〜)

  • 管理職候補や教育担当のポジションを狙える環境
  • 自費リハビリ、訪問フリーランスなど“次のキャリア”を考える時期

◆ 経験年数を「評価されやすくする」工夫

  • ✅ 症例数・実績・担当業務をメモしておく(職務経歴書に活かせる)
  • ✅ 自分が何を工夫し、どんな成果を出してきたかを言語化
  • ✅ 年数より“深さと幅”を伝える準備を

◆ まとめ:「経験年数」はスタート地点。評価されるのは“中身”

経験年数が長くても、「ただ在籍していただけ」では評価は難しい時代です。
逆に、年数が浅くても症例の質・幅・取り組み姿勢によって高く評価されるケースも増えています。

✔︎ 自分の経験を棚卸しして「何ができるか」を整理
✔︎ 転職や面接では「経験年数+実績」を具体的に伝える
✔︎ 職場選びでは“年数が伸びるだけ”の環境になっていないか見直す

これらを意識すれば、あなたの経験は“年数以上の価値”として、しっかりキャリアに活かせるはずです。