言語聴覚士(ST)の転職活動において、面接は合否を左右する最も重要なステップです。
とくに医療・福祉業界では、技術だけでなく「人柄」や「職場との相性」が重視される傾向があります。
この記事では、STの転職面接でよく聞かれる質問とその意図、回答例をまとめました。事前に準備しておくことで、落ち着いて面接に臨むことができ、自信にもつながります。
質問1:なぜ転職を考えたのですか?
意図:
退職理由に納得できる理由があるか、不満ばかりではないかを確認しています。
回答例:
「現在の職場では急性期の患者様が中心で、より在宅や生活期での支援に関心が強くなったためです。今後は患者様の生活に寄り添ったリハビリに関わりたいと考え、訪問リハのある貴院を志望しました。」
✅ ポイント:ネガティブな理由よりも将来への希望や成長意欲を前面に出しましょう。
質問2:今までどのような疾患・対象者を担当してきましたか?
意図:
これまでの経験の幅・深さ、得意分野を把握するための質問です。
回答例:
「これまで成人の脳血管障害後の失語症や構音障害の方を中心に、週20件以上の訓練を担当してきました。特に、家族指導や在宅復帰支援にも注力し、地域連携カンファレンスにも参加していました。」
✅ ポイント:件数や具体的な対象疾患を数字で説明すると説得力が増します。
質問3:苦労したケースとその対応を教えてください
意図:
課題への向き合い方や問題解決力、人間性を見ています。
回答例:
「言語指導に拒否感の強い失語症の方がおられ、訓練への参加が難しい状況でした。まずは関係構築に注力し、日常会話や趣味の話題からコミュニケーションのきっかけを作ることで、徐々に訓練への理解が深まり、積極的に取り組んでいただけるようになりました。」
✅ ポイント:課題→対応→結果の順で簡潔に話すと好印象です。
質問4:当院(当施設)を志望した理由は?
意図:
本気度・事前の情報収集を確認しています。
回答例:
「御院では回復期から生活期まで一貫した支援を提供されており、STの専門性を活かした地域貢献に力を入れている点に魅力を感じました。特に家族支援の取り組みを知り、自分の経験が活かせると感じ志望いたしました。」
✅ ポイント:公式サイトや見学時の印象など具体的な根拠を添えると熱意が伝わります。
質問5:今後どのようなSTを目指していますか?
意図:
将来的なビジョンがあるか、自主的な成長意欲を確認しています。
回答例:
「これまで成人領域が中心でしたが、小児分野にも関心があり、幅広い年代に対応できるSTを目指しています。また、将来的には家族支援や地域教育にも携わり、社会全体の言語支援力を高める存在になりたいと考えています。」
✅ ポイント:自分の経験・興味・将来の方向性をつなげて話すと好印象です。
まとめ
STの転職面接では、技術的なスキルだけでなく、人間性や成長意欲、職場との相性が見られています。
よく聞かれる質問を事前に押さえ、自分の強みや経験を具体的に伝えられるように準備しておくことで、面接の成功率は大きく高まります。
面接の最後には「何か質問はありますか?」と聞かれることも多いため、逆質問も1〜2個用意しておくと好印象です。