理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)として病院でキャリアをスタートしたものの、
「もっと患者さんの生活に寄り添いたい」
「ワークライフバランスを見直したい」
そんな理由から施設や在宅分野への転職を検討するリハビリ職の方が増えています。
今回は、実際に病院勤務からキャリアチェンジを果たしたリハ職の実例をご紹介しながら、転職後の変化やメリット・デメリットについて解説します。
実例1:PT(30代前半)|急性期病院 → 介護老人保健施設(老健)
転職理由:
- 結婚を機に残業の少ない職場を希望
- 患者との関わりをもっと長期的に持ちたかった
転職後の変化:
- 同じ利用者を長期間フォローできることで、リハビリの成果を実感しやすくなった
- 残業が激減。家庭との両立が可能に
コメント:
「急性期では早期退院が最優先で、じっくり向き合えないもどかしさがありました。老健では“その人らしい生活”を支援できる実感が強く、やりがいを感じています。」
実例2:OT(40代)|回復期病院 → 訪問リハビリ
転職理由:
- 職場の年功序列が強く、キャリアアップが難しいと感じた
- より生活に直結する支援がしたかった
転職後の変化:
- 訪問先での柔軟な対応力が身についた
- 報酬体系が歩合制に変わり、年収が50万円以上アップ
コメント:
「一人ひとりの生活環境を見ながら支援できるのが訪問の魅力。書類業務は多いですが、自由度の高さに満足しています。」
実例3:ST(20代後半)|病院 → サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
転職理由:
- 医師や他職種との距離が遠く、自分の意見が通りづらかった
- 地域密着のケアに興味を持った
転職後の変化:
- 看護師や介護職との連携が密で、相談・共有がしやすい
- 高齢者の生活支援に深く関われるように
コメント:
「病院では“訓練”が中心でしたが、今は“生活の中で活かす”支援がメイン。少人数体制で責任も増えましたが、その分やりがいも大きいです。」
病院から施設・在宅へ転職するメリット
- 患者との関わりが長期的で、信頼関係が築ける
- 生活に寄り添った支援ができる
- 残業・夜勤が減り、働きやすさが向上
- 訪問系では収入アップも狙える(歩合制など)
転職前に確認すべきポイント
- 訪問先の範囲・移動手段
- 書類業務の負担
- 人間関係(小規模な職場ほど濃密)
- 給与体系(固定給 or インセンティブ型)
- 教育体制や研修制度の有無
まとめ
リハ職としてのキャリアは、病院だけにとどまらず、施設・在宅でも広く求められています。
自分の価値観やライフステージに合わせて、働く場所を選ぶことは今や当たり前の時代。
「もっと利用者の生活を支えたい」「働き方を変えたい」と思ったら、一歩踏み出してみるのもひとつの選択肢です。
キャリアチェンジを成功させるためには、職場の情報収集と自己分析がカギになります。転職エージェントや見学も積極的に活用しましょう。